お問い合わせしようとすると、まず「FAQ(よくある質問)をご覧ください」という文言が出てくるケースがよくある。
問い合わせの手間を省くために、FAQのページへ誘導するのは、合理的な方法だ。
とはいえ、膨大なFAQの中から、自分の知りたい回答を見つけるというのは、ユーザーにとっては非常に手間がかかるし、調べることがめんどくさくなって、結局わからないままにするケースも少なくない。
コミュニケーションというのは、双方向の歩み寄りが大切だと思うのだけれど、FAQのような仕組みは、受け手側の一方的な都合で作られているように感じる。
仕組み化や自動化は、経費削減や確実に情報を伝えたいときなど、便利ではあるけれど、それが全てというのはいただけない。
膨大な情報のストックに検索窓をつけて、情報を知りたい人は自分で探してくださいというシステムがITのシステムではあるけれど、いかにして自分に必要な情報を探し出すか、またいかにしてそれらの情報を組み合わせて活用するかが、メディアリテラシーということになるのだけれど、必ず置き去りになる人が出てくるのが実態だ。
これからの教育では、この「いかにして」の部分を補う必要があるかもしれない。
だけど、「いかにして」という部分は、教育だけで補えるようなものではなく、人それぞれ、つまり個性だったりもする。
多くの情報を一方的に投げて、あとはお任せというのは、コミュニケーションにならないと思うのだけれど、それが当たり前って、なんか世知辛い。